@rabirgoです。
新しいスキルを手に入れて、積ん読解消して、ブログ1本書いてしまおうという
一日一学です。
今日は「あの人って誰?」です。今度は “the” 問題です!
“the ” international understanding 問題
前回の “a” に続いて “the” です。
筆者は日本の英字新聞に乗っていた、社会科学者の書いたエッセイの以下の英文が目についたそうです。
The international understanding is a commonly important problem in both the West and Japan.
次のような英文に変更することを提案しています。
International understanding is an issue of wide importance to both Japan and the West.
国際理解は日本に取っても西洋に取っても様々な面で重要な問題である。
What!?!
The があることで、エッセイ執筆者の考え方が確実ではないような不安にかられ、趣旨を理解するのが困難になるそうです。
いらいらして “What!?!” と聞かずにはいられないとか。
International understanding is an issue だと漠然とした概念である「国際理解」が課題であると捉えられ、
The international understanding だと具体的な「国際的約定」(例えば、ナチの戦争犯罪人に保護を与えないこと等のような国際的な申し合わせ)を指す文脈ができてしまうそう。
後述しますが、日本語に置き換えると「What!?!」と言いたくなるのはわかりますね。
the があると英語らしく聞こえる?余分な the 症候群
このような「余分な the」問題を、筆者は「英語らしく聞こえるからではないであろうか」と考察しています。
独自に日本の英文学術雑誌の、各論文の冒頭センテンスを 66 個 調査してみたところ以下の結果だったそうです。
- 66 の中で余分な the のあるセンテンスは 24(36.4%)
- これら 66 の中で the の足りないセンテンスは 7(11.0%)
- 余分な a のあるものは 0 (0.0%)
- a の足りないものは 6 (9.1%)
- 冠詞の使用が完璧なのは 28 (42.40%)
- 著者と相談せずに判断できないのは 1 (1.5%)
- また、この66のセンテンスの中で、どの類の間違いも全くないのは 16(24.2%)
余分な a が 0 で、余分な the が 24 というのは興味深いですね。
不足している a が 6、不足している the が 7 でほぼ同じなのと対照的です。
英語で論文を書く方だから偏差値高い&英語の勉強はされてると思いますが、冠詞に悩んで何となく the をつけてしまってる、ということなんでしょうか。
余分な the 例文と手直し
ここで解説はしませんが、3つ例文を挙げられてるので紹介しておきます。
日本人の英語の文例の太字の the は筆者が「太字の the さえ取れば、読者に与える印象は全く違ったものになった」と指摘している the です。
「アメリカ人の英語」のように英文を直せば、”What!?!” と聞かれることはなくなるそうです。
the novels
In Japan, even in the age of television people still seem to read the noels quite a lot.
日本では、テレビ時代となっても、小説はいまだによく読まれているようである。
In Japan, even in the age of television people still seem to read the same kind of romantic novels that have been popular since late Meiji times.
日本では、テレビ時代になっても、明治時代の末ごろから人気を呼んできたロマン小説と同じようなものはいまだによく読まれているようである。
The recent important studies
The recent important studies have been made into the causes of bullying.
最近、いじめ問題の原因について、重要な研究が行われている。
Very few people seem to be taking seriously the recent important studies that have been made into the causes of bullying.
いじめの原因について最近なされてきている重要な研究を真面目に受け止めている人は少ないようである
the English conversation
Before visiting the United States, you should be sure to brush up on the English conversation.
アメリカに行く前に、ぜひ英会話を復習した方がよい
Before visiting the United States, you should be sure to brush up on the main points of the various Envlish conversations that are given as examples in this textbook.
アメリカに行く前に、この教科書に例と指定取り上げられている色々な英会話の要点をぜひ復習した方が良い
さいごに
筆者によると、英語の「the 感覚」を養うためには正しい文章を「読んで、読んで、読むこと(read, read, read)」が何よりであるが、その際に一つ一つの名詞がどの「意味的カテゴリー」に属し、その結果、その意味が具体的にどういう風に限定されてきているかを丹念に分析しながら読むのが最も効果的だと述べられています。
私は “What!?!” という感覚を示してもらったことで the がある程度理解できたと思ってます。日本語でもいきなり「その仕事の件は」と書き出されても「どれ??どの仕事?」ってなりますもんね。
他の例えとしては「ルールは大切である(社会通念の話)」と「そのルールは大切である(何か特定のルールの話)」も近いと思っていて、「その」にあたるのが the であるという学校で習ったルールは間違ってはないな・・と思ったりしました。
まだ「ここではこうだから・・」と考えながらしか a / the / なし を使い分けられませんし、使ったところで間違ってるかもしれませんが
使い込んでノータイムで正解を出せるようになるといいですね。